マレーシアへの移住を本格的に検討する時、「どのぐらいの初期費用がかかるのか?」というのは押さえておきたい情報の1つかと思います。
マレーシア移住といっても、特別な検討事項がたくさんあるわけではなく、国内の引っ越しと同じような感覚で検討するのが良いと思います。
このページでは、マレーシアに夫婦+子供の3人で移住したAさんご家族のケースを参考に、マレーシアに移住する際、初期費用としてどのぐらいの費用感になるかを、項目別にお伝えします。
日本からマレーシアへの引っ越しにかかる費用です。
マレーシアの住環境は、基本的には家具が付いている物件になります。ですので、日本から家具まで運ぶ必要はないと思います。
その場合、
かを、考えないといけません。
Aさんご家族の場合は、日本に引き返すことを考えないために、②と③の選択をされました。そのため、実際に日本からマレーシアに送った荷物は、ダンボールで10箱弱でした。
その多くは、子供のための荷物で、大人のものは簡単な衣類だけをマレーシアに運びました。
家電はマレーシアでも十分に買えますので、よっぽどのものでなければ日本から持ってくる必要性はありません。
荷物の送付には、それぞれの荷物が現地で必要になるタイミングを考えて、SAL便と船便を活用しました。
船便の方がSAL便と比べサービス料金も1/3ぐらいでしたので、すぐに必要にならない荷物の多くは船便で送りました。
マレーシアへの荷物の発送にかかった費用はトータル10万円ぐらいです。
日本郵政さまのサービス、あるいは、しっかりと日本のサービスを受けたいという方は、日本通運さまのサービスなどを検討されると良いと思います。
Aさんは家族での移動ですので、3人分の航空券が必要になります。
マレーシアのジョホールバルに移住する予定でしたので、東京からシンガポールのチャンギ空港に到着し、それから陸路でマレーシアに入るルートを活用しました。
東京-シンガポールの1人当たりの航空券は当時7~8万円でしたので、3人で約24万円です。
3人分の荷物もたくさん持っていましたので、シンガポールの空港からは国際タクシーを使ってジョホールバルまで移動しました。国際タクシーは流しのタクシーとは異なり、事前予約が基本です。弊社でも事前予約することができます。国際タクシーの料金は片道で約10,000円です。
マレーシアまでの人の移動にかかるトータル費用は、約22万円から25万円というところです。
Aさんは、家賃が約RM4,000(約13万円)のお部屋を賃貸しました。
マレーシアで物件の賃貸をする際は、以下のような費用が必要になります。
賃貸時に必要な費用 | Aさんのケース | |
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賃料 | 1ヶ月分 | RM4,000(約13万円) |
セキュリティデポジット | 2ヶ月分 | RM8,000(約26万円) |
ユーティリティデポジット | 半月分 | RM2,000(約7万円) |
エージェント費用 | 1ヶ月分 | RM4,000(約13万円) |
契約手続き費用 | RM400~500 | RM500(約1.5万円) |
合計 | RM18,500(約61万円) |
マレーシアへの移住後の生活に欠かせないものの一つに車があります。マレーシアは車社会ですから、車がないとなかなか移動ができません。
クアラルンプールの中心地であれば、モノレールや地下鉄、バスなどの公共交通機関ありますので、場所によっては車がなくても生活することが可能です。しかしながら、車なしで不自由なく生活できる環境はマレーシアではかなり限られていますので、車を使うことを前提に生活を考える必要があります。
マレーシアの車の活用方法としては、以下の選択肢があります。
一番のオススメは、自家用車を購入することです。
購入には中古車と新車とありますが、知人からの購入でない限りは、新車の購入をおすすめします。
マレーシアでは、事故履歴などの情報がしっかり管理されていません。そのため、見た目は気にならなくても過去に大きな事故を起こしている車である可能性があります。しかも、修理費を抑えるためにメーカー部品ではない部品で修理している可能性もあり、いつ別のトラブルが発生するかわからないところもあります。
心配なのは、車の値段かと思います。マレーシアでは車に対して関税がかかります。完全輸入車ですと、日本での値段の2倍の値段になる車もあります。
しかしながら、東南アジアで組み立てられている、あるいはマレーシアに工場がある車は、その分関税のかかる割合も高くなく「トヨタ」や「ホンダ」といったブランドの車はそれほど関税も高くありません。しかも中古車市場もあるブランドなので、おすすめです。
ちなみに、マレーシアの国民車でMyviという車があります。
このMyviの新車価格が約RM48,000(約158万円)になります。そのため、安くても150万円ぐらいは車の購入にかかると思っていただければと思います。
Grabタクシーは、マレーシアのタクシー業界を変えたガリバーになります。いまではドライバーのクオリティも上がり、安心して活用できます。
以前は、UberとGrabの競合争いが凄まじいものがありましたが、Uberが先進国マーケットを狙い、Grabが後進国マーケットを狙うということで、マレーシアではGrabの一択状態です。
料金もお手軽ですし、ドライバーも捕まりやすいため、Grabだけでも十分にマレーシア生活を送ることができます。実際に、自家用車を所有せずタクシー移動をベースに生活されている方もたくさんいらっしゃいます。
1日に一往復をGrab利用する場合、1回あたりRM30(片道RM15)ぐらいをイメージしていると良いかと思います。それで1年間に300日利用するとなると、およそRM9,000(約30万円)がかかります。
レンタカーは、日本で考えるレンタカーの費用よりも若干お高めな印象です。
これはマレーシアのほとんどの人が自家用車を持っていて、レンタカーを使う機会が少ないからと思われます。
コンパクトカー | 約5,000円/日 | セダン | 約10,000円/日 | MPV | 約15,000円/日 |
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※車種により異なります。
短期で利用するのであればレンタカーの選択肢もありますが、長期で利用すると少しもったいない費用になります。現地のレンタカー相場を知りたいときは、WAHDAHのサイトにアクセスしてみてください。
マレーシアでは、ショッピングモールに携帯電話を売っているお店がたくさんあります。
携帯電話は機種の新しさにより、値段も異なります。
iPhoneもマレーシアで購入可能ですが、為替により日本で購入した方がメリットがあるケースもあります。
マレーシアだけで使う機種を買うのであれば、2、3年前の旧モデルのものでRM3,000(約10万円)ぐらいのものを購入すれば十分かなと思います。
日本で使用中のデバイスがマレーシアでも使用できるのであれば、購入は不要ですね。
さて、マレーシアでの有名なキャリアには、以下のキャリアがあります。
日本と同じように料金形態や回線の状況などで特徴はありますが、安定しているキャリアはMaxisかと思われます。目安として、MaxisのプリペイドでRM50(約1,500円)/月ぐらいの料金になります。
マレーシアに教育目的で移住されるなら、お子様の学校費用が一番かかってくるという印象です。
日本のインターナショナルスクールよりも割安なマレーシアのインターナショナルスクールもありますが、日本より高い学費の学校もマレーシアにはあります。
すでに移住を決めていられるなら、学校をどこにするかも決められていると思います。
各学校の学費は、本当に各種バラエティに富みます。お子様を入れて大きく間違いない学費としては、約100万円以上の学校になるかなと思います。それ以下ですと、ローカル(マレーシア人)生徒向けの学校という印象があります。
学校へ納める費用には、授業料以外にも、登録費用や施設使用費用、セキュリティデポジット、制服、教材費用等があります。また、学費は年間分をまとめて支払うより、年2回に分けて支払うケースが多い印象ですので、学校の支払いスケジュールはしっかり確認しましょう。
学校費用は一概に、いくらと言いにくいので、まずは初期費用として100万円ほどを意識してもらえればと思います。
マレーシアのコンドミニアムは家具付きというお話をしましたが、家具がついていても生活必需品は現地で調達する必要があります。
マレーシアにはIKEAやNITORIもありますので、そこで食器や家庭小物等を調達することも可能です。また、日本人にお馴染みのイオンモールもありますから、それなりのクオリティのタオルやベットシーツなど、生活で必要なものを現地で購入可能です。
あとは、掃除機や浄水器などが付いていない物件も多いですので、付いていない場合は入居者自らが用意する必要があります。
ざっくりと、自分たちの生活空間を作るのに、30万円分も予算があれば、満足のいく生活空間になるのではないかと思います。
さて、ここまでの夫婦+子供1名でのマレーシア移住費用の合計額をまとめますと、以下になります。
1. 引っ越し費用 | 10万円 |
2. 人の移動 | 25万円 |
3. 家賃 | 56万円 |
4. 車 | 150万円 |
5. 携帯電話(2名分) | 18万円 |
6. 学校費用 | 100万円 |
7. 生活必需品 | 30万円 |
合計 | 389万円 |
マレーシア移住の初期費用としては、およそ300~400万円ぐらいかかるのかなとイメージしてもらうとよろしいかと思います。
こちらはあくまで実例を踏まえた参考例ですので、もちろん、もっと費用を安く抑えることは十分可能だと思います。航空券代にLCCを利用したり、また家賃や車の費用にも大きな幅があります。本内容を参考に、ご自身の状況やご希望に合わせてマレーシア移住を検討していただければありがたいです。