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新たな火種?Covid-19ワクチンパスポート議論について

 2021/02/23     

マレーシアより、こんにちは。こちらマレーシア情報局です!

いまは、日本も緊急事態宣言中であり、マレーシアも行動制限令中ですので、両国ともCovid-19への対応には手を焼いている状況が続いていました。

こんな状況ですから、Covid-19のワクチンには新たな救世主として、なんとかCovid-19の猛威を沈静化してくれるのではないかという期待も高まっているかと思います。

私自身も、このワクチンの接種状況が拡大することで、Covid-19による重症化のリスクが低くなり、Covid-19を理由としての行動制限がなくなることを切に願っています。

その一方で、このCovid-19のワクチンを接種したかどうかで、新たな行動制限になりかねない状況も生まれようとしています。

皆様も聞いたことがあるかもしれませんが、「ワクチンパスポート」というワクチン接種の証明書を持っている方だけが、海外への出入国ができるようになるという枠組みの議論がどんどん進んでいる点に注意しておく必要があるなぁと思います。

マレーシアでもワクチンパスポートの発行が前向きに議論・検討されています。

【参考】"Dr Adham: Govt plans to issue Covid-19 vaccine passport as proof of vaccination" Malay Mail. 21 Feb 2021(最終閲覧日:2021年2月23日)

「ワクチンパスポート」とは、まだ議論過程ではありますが、ワクチン接種をしたという証明書をモバイルアプリなどで確認できるようにし、それぞれの国のイミグレーションでチェックを行なって、入国を許可するかどうか、あるいは隔離プロセスをどうするかという判断に使っていくものになります。

そのため、ワクチンを接種した方にとっては、今までのような行動制限を受けずとも、渡航が可能になります。一方、ワクチンに疑念があって打ちたくない人やアレルギー等でワクチンを打ちたくても打てない人にとっては、渡航のハードルが今後継続してしまうという負の要素も含んでいます。

今回のCovid-19に対する各国の対応を見ていても、それぞれの国でこのような議論を受け入れるのには温度差があることが明確です。

マレーシアは、Covid-19のリスクから国民を守るために、国民の行動の自由を制限するという判断をしている国になります。

一方の日本は、Covid-19のリスクは認識しながらも、国民の行動の自由を制限できず、ぞれぞれの国民の民度に任せるという判断をしている国になります。

このように国により国民の行動の自由をどこまで制限して良いものかには議論があるところですし、それを全世界的な共通認識を作りながら世界各国の往来を許可していくというのは、なかなかハードルの高い議論になっていきそうに思います。

現在の「ワクチンパスポート」の議論が進んでいる国としては、イスラエルになりますね。イスラエルは、世界に先立ちCovid-19のワクチン接種を大々的に進めている国の一つです。現在、EU各国とも同等の制度にしていくべく議論を進めているとのことです。

【参考】"ワクチンパスポートあれば隔離免除 イスラエル入国時" 朝日新聞デジタル. 17 Feb 2021(最終閲覧日:2021年2月23日)

世界の航空業界の標準化団体でもあるIATAでは「IATA Travel Pass Initiative」というアプリケーションの設計も進め、2021年の第一四半期にはアプリもリリースされるスピード感で進めています。現在の航空業界の苦境を考えれば、IATAが率先してワクチンパスポートの考えを導入して、早期に渡航者を増やしていきたいと考えるのも頷けます。

こうした流れの中で、日本のオリンピックの開催があります。

今のところ、オリンピックは開催の方向ですが、観客を受け入れるのかどうかではまだ判断がなされていません。日本はお国柄、プライバシーや個人の権利を守る国であるため、「ワクチンパスポート」というアイディアは受け入れ難い土壌かと思いますが、オリンピックで観客を世界から呼ぶ場合にはグローバルスタンダードに立った対応が求められる可能性は高いですね。

それにしても、ワクチンパスポートという考え方は一過性の取り組みにして、2,3年後にはその有効性を再度確認するなどのフェーズを持って対応していければ良いのですが、どうなりますでしょうか???

個人的には、いまの状況ではワクチンパスポートの考えはあってもよく、将来の見直し運用を含めて対応していっていただきたいと切に願っています。

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