2014年4月にIKI LINKSグループ現代表足利がGlobal Asia Assets(マレーシア)に入社しました。当時はMolek Pine 3コンドミニアムの内装工事の遅延や賃貸管理の整理不足、さらには登記手続きのトラブルなど、多くの課題を抱えており、オーナー様にはご迷惑をおかけする状況が続いていました。
また、Globalグループではマレーシア以外にも、フィリピンやタイでの不動産事業も行っていましたが、そのグループを統括していた者が退任することになり、Global Asia Investment代表(マカオ)とGlobal Asia Assets(マレーシア)代表に就任することになりました。
就任後はGlobalグループの課題を一つひとつ解決しながら、マレーシアではMolek Pine 3の賃貸管理が始動。約50戸からのスタートは、年末までに100戸規模へと拡大しました。マレーシア国内では、外国人最低購入価格がRM100万に上昇する政策(外国人に転売しにくくなる)やフォレストシティ着工(供給過剰の懸念)など、不動産市場を揺さぶる動きもあり、不動産供給過多への懸念が強まった時期でもありました。
Molek Pine 3 コンドミニアム
2015年にはPonderosa Lakesideの引渡しと内装プラン導入が始まり、管理対象はさらに拡大しました。モレック地区からの日本人学校のバス運行サポート、Molek Pine 3内の日本人の先生による塾や、日本食レストラン「林」の出店により、日本人家族の暮らしを支える基盤も整いました。Molek Pine 3稼働率は80%前後を維持し、PLAは60%で推移。モレックに日本人コミュニティが本格的に芽生えた時期でした。
マレーシアの事業はトラブルがありながらも、オーナー様の理解のもと、徐々に海外不動産の管理運営が形になりつつありましたが、Globalグループとしては、それぞれの国でのトラブルが発生しており、私がGlobal Asia Investment代表を続けていてはせっかく芽が出てきたマレーシア事業にも影響しかねない状況でした。
2018年は、Molek Pine 3の賃貸が堅調ながらも、2ベッドルームのユニットの転売価格下落やMolek Pine 4登記遅延といった課題に直面しました。それでもMolek Pulaiの引渡しが進み、管理戸数は270戸に到達。教育移住を意識したサマースクール支援も始まり、新しい需要に応える準備を整えました。
このころから、会社としてのサービス提供体制も整いだし、「Shift your lifestyle(海外で新生活をチャレンジ)」というメッセージをもとに各種サービスを提供する現在のサービス提供の形ができてきました。
2019年には社員が20名規模となり、クアラルンプールにも拠点を拡大しました。管理戸数は上期に279戸でピークを迎えましたが、社員寮を担っていた会社の事業縮小に伴い下期には241戸・稼働率68%に減少。オーナー様の中には、物件を競売にかけられるケースも目立つようになりました。老朽化が進むMolek Pine 3では修繕・リノベーションが課題となりましたが、KL市場での法人設立支援やオンラインセミナー導入に挑戦しました。
マレーシア政府はRPGT(Real Property Gain Tax:不動産譲渡益税)や印紙税改正が実施され投資家心理に影響を与え、さらにシンガポールとの国境沿いのPrincess Coveコンドミニアムの開業やSouthkey Mid Valleyメガモールの開業など、大型開発が相次ぎました。一方で、RTSリンク計画の延期により地域経済に不透明感が漂った時期でもありました。
2020 - 2021
第4章:コロナ禍と転換期
稼働率最低期とオンラインシフト
2020年3月、世界的に流行した新型コロナウイルスの影響で、マレーシア政府がMCO(Movement Control Order:行動制限令)を発動し、国境が封鎖されました。入居者募集や契約が停滞し、稼働率は一時62%台まで低下。管理戸数は242戸から年末には216戸まで減少しました。
IKI LINKSはオンライン相談やオンラインセミナーを導入し、2025年現在までに約12,600人規模(日本、中国、欧米を含む)の参加者を得るまでに成長しました。また、会社の売り上げを補完するため、オンラインで日本の会社の業務委託を受けたオンラインコンサル事業を始めました。